• ホーム
  • 大型造型のアトリエ実績
  • ご利用の流れ
  • CGデータ入稿のルール
  • よくあるご質問
  • 会社概要

3Dフィギュア
制作プロジェクトを終えて

  • ホーム
  • 3Dフィギュア制作プロジェクトを終えて

対談インタビュー
~3Dフィギュア制作プロジェクトの舞台裏~

CGデータ大型造形サービスを提供する株式会社Izoxではこのたび、4社合同で「3Dフィギュア制作プロジェクト」を行いました。今回は、株式会社Izoxの代表・佐野を含めた責任者4名へのインタビューを交えて、技術の粋を結集して挑んだこのビッグプロジェクトの舞台裏についてご紹介します。それぞれの会社との出会い、そして3Dフィギュアを完成させるまでの決意と苦労とは――。

インタビュー~3Dフィギュア制作プロジェクトの舞台裏~

3Dフィギュア制作プロジェクトの責任者

古荘 光一
Koichi Furusho
廣瀬 勇一
Yuichi Hirose
大上 竹彦
Takehiko Ogami
佐野 剛志
Tsuyoshi Sano
 
株式会社ロイスエンタテインメント
代表取締役社長
株式会社ロイスエンタテインメント
代表取締役会長
ギアデザイン
代表
株式会社Izox
代表
株式会社
栗山化成工業所
【役割】
3Dプリンターの会社
小さいパーツ担当
【役割】
デザイン会社
題材づくり、CGデータ担当
【役割】
大型造形会社
本体・組み立て担当
【役割】
塗装
3Dフィギュア制作プロジェクトの責任者

「メビック」での出会い

時は2015年3月、場所は大阪に集積するクリエイティブ関連企業の活性化に取り組んでいるクリエイター支援施設「メビック」。そこでIzoxの代表・佐野が、参加者に対してあるプレゼンテーションを行った。発砲スチロール型を使った新しい表現方法やデータの有効活用について一緒に考えられる技術者、手書きデザインをデータ化できるデザイナー、CGデータの創造や手直しができるクリエイターの方と出会いたい――。そんな内容の話だった。

持てる情熱を精いっぱいぶつけたプレゼンを終えてしばらくすると、何か一緒につくれるものを企画しないか――と佐野に持ちかけてきた人物がいた。株式会社ロイスエンタテインメントの会長、廣瀬だった。そこで廣瀬と佐野は意気投合。「お互いの会社の技術を活かしたものをつくろう」(佐野)と、決意を固めることになる。

そして4月、メビックでの話がきっかけとなり、佐野はあらためて廣瀬と会うことに。

佐野
「実際に会って話をしたらイメージがどんどん膨らんでいき、どうせやるならいろんな会社を巻き込んで何かつくりたい、となったんです。しかしその時は話が膨らみすぎて、何を実際につくろう?というところの話がまったくまとまらなかったですね。気持ち先行で(笑)」

5月、3Dプリンター制作に精通する廣瀬から、ある一つの提案を受けた。「どうせなら、6月の下旬に開催されるメイカーズバザールに向けてつくらないか?」。ここで廣瀬と佐野のゴールが決まる。中旬にはロイスエンタテインメントの経営メンバーである古荘も交え、3人で再度集まってミーティングを実施。そかしここでも肝心の題材を決定することができず、このままではまずい……という危機感を抱えたまま時が過ぎて行った。

諦められなかった理由

3Dフィギュア制作プロジェクトの背景について、廣瀬はこう話す。

廣瀬
「ロイスエンタテインメントは3Dプリンターの会社。もともと小さいものを専門につくっている会社ですが、将来のビジョンを考えるたびに『何か大きいものをつくりたい』といつも考えていました。そんな中でのIzoxさんとの出会いだったんです。私は以前から、原寸大の飛行機や一軒家といった巨大な物まで3Dモデルで作ってしまうIzoxさんのことは知っていました。実はメビックに行ったのもIzoxさんが目的で、何か一緒にやりたいなあと思っていましたね。」

等身大フィギュアの制作について、広瀬も古荘も「ニーズは感じていた」というが、コストの関係上、会社単体では実現することが不可能だったという。古荘は話す。

古荘
「このプロジェクトのちょうど1年ほど前に、アメリカから1通のメールが来きました。それは『新たに発売する体操のスポーツレオタードを着せるためのマネキンを3Dプリンターでつくれないか』という相談でした。会社単体でそれを実現できる力がなかったのである会社に見積もりをお願いしたのですが、出てきた金額はなんと600万円! 結局予算の面で実現せず、とてもくやしい思いをしました。」

筋トレやダンスなどの身体を動かすことが趣味である古荘にとって、この泣く泣く断ったスポーツ系のマネキン制作はずっと頭から離れなかったという。

メールが結んだ幸運な関係

ギアデザインの代表を務める大上は、建築関係のグラフィックデザインをメインに行っているクリエイター。有名建築物の多数手がけた経験を持つ人物でもある。そんな大上がこのプロジェクトに首を突っ込んだのは、ある1通のメールがきっかけだった。

大上
「あるCG系のソフトを使い始めて半年近くが経ち、本格的に何かの作品をつくろうと考えていました。どうせなら、CGソフトでつくった作品をフィギュア化したいなあとかね。それを、クリエイターたちが腕によりをかけて製作したキットを持ち寄って展示・販売するワンダーフェスティバルに出す予定で、その時は筋肉マンのフィギュアをつくってみたいなあと思っていましたね。」
大上
「そんな矢先、以前勉強会に参加したことがある東京の3Dプリンターの会社から、3Dプリンターに関する勉強会のお知らせメールが来たんです。結局その勉強会には参加できなかったんですけど、勉強会のメールを見て3Dプリンターでつくるフィギュアについて興味が沸いてきて、ノウハウをつくっていこう!と思い、勉強したくなりました。」

クリエイター魂に火が付いた大上は、以前から3Dプリンターの会社として知っていたロイスエンタテインメントにコンタクトを取ろうと決心する。そして「いろいろと勉強させてもらおう」(大上)という気持ちで、自身で描いたフィギュアのCGの絵(艦コレ陸奥)をロイスエンタテインメントに持ち込んだ。

5月下旬、オフィスにてギアデザインの大上からCGを見せられた廣瀬は驚いたという。

廣瀬
「これまでたくさんのデザイナーとお会いし、いろんな作品を見てきましたが、大上さんの絵には驚愕しました。メイカーズバザールへの作品題材は大上さんにつくってもらおうと、そこで決心しましたね。納期も差し迫っていた中でしたが、彼ならいける!と。」

廣瀬はすぐさま大上にこれまでの経緯を説明し、オファーを出す。同時に佐野にもその旨を伝えた。佐野は電話で廣瀬に、「ぜひとも」と話したという。

題材の決定と試行錯誤

ロイスエンタテインメントに絵を持ちこんだ当日、廣瀬は大上の絵を認めたが、同時にシビアな目線で作品のダメ出しをすることも忘れなかった。

大上
「頑張って書いた絵だったのでダメ出しには落ち込みましたが、廣瀬さんが自身の絵を認めてくれたことはとてもうれしかったです。だから、廣瀬さんからの題材づくりのオファーもその日のうちに受けることにしました。」

ロイスエンタテインメントに預けていた艦コレ陸奥のCGイラストを取りに行った際、大上はそこで初めて佐野と出会った。そこで佐野に会うことは聞かされていたが、その日に打ち合わせをするとは知らされていなかったという。

大上は「せっかく受けたオファーなので、プロ根性で本当に良いものをつくり上げよう」と覚悟を決めていた。しかし、題材の決定でそもそも遅れが発生していたこともあり、題材となる絵を完成させるまでの納期は、たった1週間しかなかった。当初、「題材は何でもいい」と聞いていた大上は、何の絵にしようか悩みながら2日かけて絵を完成させる。しかし、リアルな女性を題材にした絵を仕事のパートナーでもある妻に見せたら、「どこにでもあるもの」と一刀両断されてしまった。

その後、落ち込む暇もなく題材づくりを再開。「もっとデフォルメしたオリジナリティのあるものをつくろう」と思い、3日間徹夜で仕上げた。完成したものを妻に見せたら、今度は合格点。本当に良いものに仕上げることができたという自信を胸に、廣瀬と佐野に後の工程を託すことに。廣瀬と佐野にOKをもらった大上は、強烈なプレッシャーから解放されたことに安堵したという。

題材の決定と試行錯誤

時間との勝負

時間との勝負1

大上から託された題材をもとに、佐野と廣瀬はさっそく制作に取りかかる。大きいパーツ部分制作と組み立てはIzoxが担当し、小さいパーツ制作はロイスエンタテインメントが担当。同時に工程を進めた。「とにかくメイカーズバザールまで時間がなかったので、納期管理が本当に大変でした」と佐野は振り返る。

佐野
「このフィギュア制作においては初めて使うシステムがいくつかあったので、どれくらいの納期になるのかがまったく読めませんでした。こういうケースって、かなり神経を使うんですよね。システムを使いこなしつつ納期を守ることが大前提。もちろん、普段の仕事の合間にやらなければならなかったので、夜空いた時間でとりかかることがほとんどでした。」

時間との勝負2

時間との勝負3

そんな納期までの時間が差し迫った中、作業をお願いしようとしていた塗装担当者が急きょ入院してしまうという事件が起きる。このままでは間に合わないというピンチの中、さまざまなあてを頼って協力要請をした佐野を助けてくれたのが株式会社栗山化成工業所だった。「急なお願いに協力してくださり、栗山化成工業所さんには本当に感謝しています」(佐野)

時間との勝負4

メイカーズバザール前日の15時頃、塗装が完了したバラバラのパーツが栗山化成工業所から運び込まれた。そこから急ピッチで仕上げ作業に取りかかり、立たせ方、運び方を考えながらIzoxがスタッフ一丸となって組み立てを行う。

作業がすべて終ったのは、メイカーズバザール前日の夜12時。出展する大型の3Dフィギュアが、とうとう完成した。

今、プロジェクトを終えて思うこと

ロイスエンタテインメントが担当したのは、主に小さいパーツの部分。大上が描いた女性のイラストを3次元に起こすにあたり、苦労したのは髪パーツをつくることだった。廣瀬が話す。

今、プロジェクトを終えて思うこと

廣瀬
「髪だけで16パーツに分かれており、ここが技術的にも非常に難しい部分でしたね。1回のプリントで8時間近くかかるため、通常業務が終わったら当社の3Dプリンターをフル稼働。退社前にプリンターを動かして帰り、朝一番に出社してチェックするのですが、チェックしてみたら全然ダメでやり直し――。そんなことが何度もあり、そのたびに途方に暮れました。でも、納得できる形でパーツを仕上げたかったので、粘り強く上記の工程を繰り返しました。ここまで来ると意地もありますし。」

そのパーツを託されたのがIzox。塗装後のパーツを見た佐野にはわくわく感と同時に感動がこみ上げ、「本当に忘れられない瞬間」だったと言う。

佐野
「もともとは自動車関連の模型をつくりたいと考えており、大手メーカーにスポンサーについてもらいたかったんです。でも、大上さんの絵を廣瀬さんから見せられた瞬間、これで行こうとすぐに決めました。このプロジェクトを無事に終えてほっとしていますし、進める中であらゆることが勉強できたと思っています。また、自分たちにできること、技術力の高さをあらためて客観的に知ることができたのも大きかったですね。」
廣瀬
「私も同じで、大上さんの作品を見るまでは、実はフィギュアという選択肢がほとんど頭にありませんでした。3Dプリンターに代表されるように、ものづくりの自動化はどんどん進んでいる。そんな中で信頼できるクリエイターの存在は、今後ますます必要になってきていると感じます。非常に短納期の中でここまでの題材をつくってくれた大上さんは、本当に信頼できるクリエイターだと思いますよ。」
古荘
「これまでリアルな人物のデータは持っていましたが、今回は本当にオリジナルのラインだったので会社として前例がありませんでした。なので、私たち1社だけでは実現できなかったことだと思います。それぞれに異なる強みを持つ3社が集まったからできたことなんです。クリエイターはもっと自分を主張すべきですね。ものづくりの自動化が進んでも、良いものをつくり上げるためには優秀なクリエイターが絶対に欠かせません。自分がクリエイターの代わりになってそのクリエイターの武器をPRしたり、代わりに交渉したりしていき、優秀なクリエイターの地位を上げていければと思っています。」
大上
「今回のCGフィギュアは自分にとって初の本格的な作品でしたが、実際に完成したものを見て自信がつきました。『産みの苦しみ』という言葉があるとおり、0から1にするのは本当につらいこと。でも、0から1につなげられたことで、自分の中で世界が広がりました。完成したフィギュアを自分のFacebookにアップしたら、それを見た海外の会社から問い合わせが来たんですよ。非常に驚きましたし、デザイナーとして良い未来しか見えないですね(笑)」

佐野・廣瀬・古荘・大上はいずれも、制作物に大満足だった。しかしそれだけでなく、自社の弱いところと強いところを互いに補完し合いながらプロジェクトを進められたプロセスにも充実感を感じていた。互いが互いを認め合うことで深まったパートナーシップは、プロジェクト終了後も続いている。

メビックでのプレゼンテーションが結びつけた、ひとつの偶然――。今回のプロジェクトの中心人物である廣瀬は、「次はどんなものをつくろう」と少年のように笑った。

インタビュー~3Dフィギュア制作プロジェクトの舞台裏~

立体造形に革新をもたらすIzoxへのお問い合わせ・お見積もり

お見積り・お問い合せはこちら

このページの先頭へ